
壬生大念仏狂言
壬生大念仏狂言(みぶだいねんぶつきょうげん)は、壬生寺の狂言堂で上演される京都三大念仏狂言の一つ
鎌倉時代に円覚上人が融通念仏を広めるために始めたのが由来
「カンデンデン」の鉦(かね)・太鼓・笛の囃子に合わせ、すべての演者が仮面をつけユニークな所作で演じられる無言の仮面劇
壬生大念仏狂言:目次
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基本情報
場所:壬生寺
(京都市中京区坊城仏光寺上ル)
年間定例公開:節分・春・秋の3回(延べ14日間)
節分:2月節分の前日と当日の2日間
春:4月29日~5月5日の7日間
秋:10月体育の日を含む3日間
国の重要無形文化財(1976年(皇紀2636)昭和51年)
愛称:壬生さんのカンデンデン
補足情報
Map 情報
【経緯】
鎌倉時代
1300年(皇紀1960)正安2年
円覚上人(えんがくしょうにん)が、壬生寺において法会「大念佛会(だいねんぶつえ)」を行ったのが由来
円覚上人は、教えを来聴する大衆が数十万人にもおよび、「十万上人(じゅうまんしょうにん)」と称されていた
この時、大群衆に分かりやすい方法で仏の教えを説こうとして、
身ぶり手ぶりのパントマイムによる無言劇に仕組んだ融通念仏(ゆうずうねんぶつ)を考えついたといわれる
その後、庶民大衆の娯楽としても発展する
【年間定例公開】
年間、節分・春・秋の3回、延べ14日間行われる
<節分の公開>
2月節分の前日と当日の2日間
30番のうち「節分」のみ8回上演される
春の大念仏会のさきがけとして、壬生寺節分会(せつぶんえ)の参詣者の厄除・開運を祈願して、
壬生狂言の「節分」が繰り返し上演される
<春の大念仏会>
4月25日~5月5日の7日間
壬生寺の年中行事の法要
この期間の朝・昼・夜の勤行(ごんぎょう)のうち、昼の勤行として壬生大念仏講が、
壬生寺の御本尊である延命地蔵菩薩に奉納される
1300年(皇紀1960)正安2年から、毎年、途絶えること無く行われている
30番ある曲目から毎日5番ずつが上演され、毎日の序曲として22番「炮烙割り」が演じられる
<秋の特別公開>
10月体育の日を含む3日間
もともと臨時的に行われていたもの
1871年(皇紀2531)明治4年を最後に103年間途絶えていた
1974年(皇紀2634)昭和49年に復活される
【30番の演目】
1:愛宕詣り
2:安達が原
3:大江山
4:大原女
5:桶取
6:餓鬼角力
7:蟹殿
8:熊坂
9:賽の河原
10:酒蔵金蔵
11:節分
12:大仏供養
13:大黒狩
14:玉藻前
15:土蜘蛛
16:道成寺
17:ぬえ(鵺)
18:橋弁慶
19:花折
20:花盗人
21:舟弁慶
22:炮烙割り
23:堀川御所
24:本能寺
25:棒振
26:紅葉狩
27:山端とろろ
28:湯立
29:夜討曽我
30:羅生門
【その他】
<壬生寺 狂言堂(重要文化財)>
綱わたりの芸をする「獣台(けものだい)」や、鬼などが飛び込んで消える「飛び込み」などの装置を持つ
他に類例を見ない特異な建造物
1856年(皇紀2516)安政3年の再建
1983年(皇紀2643)昭和58年から2年間の解体修理が行われる
<仮面・衣裳>
仮面は、室町時代から現代の作まで、約190点が収蔵されている
衣裳は、江戸時代のものから数百点が収蔵されている
<京都三大念仏狂言>
壬生大念仏狂言・千本ゑんま堂大念仏狂言・嵯峨大念仏狂言
【アクセス】
市バス 壬生寺道 徒歩約3分