三葉の松

和名:サンヨウノマツ・サンコノマツ(マツ科マツ属) 

学名:Pinus Bungeana Zucc
昔から日本では、豊饒(ほうじょう)と平安をもたらす神霊が、松を伝って地上に降臨すると信じられ、昔物語や伝説に登場し、神聖な木として崇めていて、新年の家門に飾る門松は同じ意味で神の降臨を願ってのことです。
松は百木の長と言われていますように、木の気品、幹の姿、根の張り、彫りの深い樹皮の亀甲の模様にも気品と風格が感じられます。
「三葉の松」は全国でも珍しく、その姿から「夫婦和楽・家内安全」を象徴して、その松葉は黄金色になって落葉します。
松は普通二葉か五葉ですが、日本でもまれに三葉の松があります。おおむね神社か仏閣に植えられております。日本では樹高は一般の黒松より大きくはなりません。

高野山

空海は31歳のときに唐に仏教を学びに行き、般若三蔵と恵果和尚という僧侶に師事し密教の教えを受けました。
全ての修業を終え日本に帰国することになった空海は、真言密教の道場を開くのにはどこがいいのかと願いを込めて三鈷杵(さんこしょ)という密教法具の一つを明州の浜から日本の方に向けて投げました。
その後、帰国した空海がその三鈷杵を探して日本全国を旅をしていたところ、和歌山県の高野山にあるこの松の木に引っかかっていたのでこの地に真言密教を広める道場を開くことにしました。
それ以来、この松の木は三鈷杵にちなんで三鈷の松と呼ばれるようになったと言い伝えられています。
この松の樹は「根本大塔」のすぐ横にあり、弘法大師・空海のご利益が授かるスポットとしては有名なところです。

▼三鈷の松

今からおよそ1200年前。
弘法大師空海上人が、唐の国における学法を終え(唐の名僧「恵果阿闍梨[けいかあじゃり]」から密教の奥義を伝授され、日本仏教史に残る最高の栄誉を受けます)写経も完成させて日本に帰るとき、唐の明州の浜より「秘密の教法流布に適する地あればそれを示せ」とその手にお持ちになった三鈷(仏教の法具)を日本に向かって天高くお投げになりました。
その三鈷は遠く海を渡って高野山まで届き、松の枝にかかっていました。
お大師様は、その三鈷が見つかった地である高野山に伽藍を建立、この時の松は三鈷松と名付けられた。
三鈷松は三鈷の先のように葉先が三本に分かれている。
これは、お大師様のご法力によるもので、その松葉を拾って持っていると3つの福があると言われ必ず良い事が起こるとのこと。
財布に入れておくと幸福になれる、お金が貯まるなどと言われている。
中国の中部から北西部に分布している。幼木時は成長が遅いが樹高は30m程になるとのこと。 高野山の三鈷の松が有名。呼名は針葉が3本1組になるためとか。
「世界中で珍重され、聖木としても扱われているそうです」

京都 三葉の松・三鈷の松

白峯神社

霊木
三葉の松 白峯神社HP

三鈷の松(永観堂禅林寺)

葉先が三つに分かれている珍しい松の古木。
三鈷は智慧、慈悲、まごころを表す。この松の葉を持っていると三つの福が授かるといわれる。
御影堂から阿弥陀堂に続く廊下の傍らに、“三鈷の松(さんこのまつ)”と呼ばれる1本の大きな松があります。この松は中国原産の白皮松という松なのだそうですが、松の葉って、普通は2本ですよね。ところが、この松の葉は3本もあるのです。しかも、葉の長さが30センチ近くもあり、普通の松の葉の約5倍ほどの長さがある珍しい松なのです。
密教やチベット仏教などに用いられる金剛杵(こんごうしょ)という法具の一種に、“三鈷杵(さんこしょ)”と呼ばれる、先が三つ叉になった法具がありますが、3本の松の葉をその三鈷杵の形にたとえて、この松のことを“三鈷の松”と呼ぶようになったのだそうです。

智恩寺:臨済宗妙心寺派

日本三文殊のひとつで通称切戸(きりと)又は九世戸(くせど)の文殊堂として知られているのお寺。
文殊菩薩の霊場で、一般的に智恵を授かる文殊さんとして有名で受験生やその家族がお参りに来られるそうです。
おみくじはユニークな扇状で、境内の松の木にぶら下げられている扇が風に吹かれ揺れる様は風情があります。
普通の松葉は2本ですが、ここには「三鈷の松」と呼ばれている珍しい3本の松葉の木があり、その松葉を持っていると幸せになれると添乗員さんに教えていただきました。私も含めてツアーに参加したみんなで根元に落ちている松葉を拾ってお土産にしました。
こじんまりしていますが、境内内には立派なお堂や国の重要文化財に指定されている多宝塔がありなかなか見応えのある良いお寺でした。

上賀茂神社

ニノ鳥居を入ると細殿と呼ばれる拝殿があり、その正面に立砂がある。盛砂とも呼ばれ、円錐形の砂山が左右一対になっている。
神様が降臨した神山(こうやま)を表しており、上賀茂神社では聖域となるパワースポットである。
頂きに何やら葉がささっていた。向かって左が一本、向かって右が二本。
何かしら意味があるのだろうと思い、御朱印を書いて頂いた宮司さんに質問をしてみた。
聞けば、頂きの葉は松の葉だそう。
通常、松の葉先は二本だが、特別な松の葉先は三本あるとのこと。
一本に見えていたのは三本の葉先を結っていたから?
後から調べると「三鈷の松」と呼ばれ、非常に縁起の良い松であることを知った。
陰陽思想を紐解いて考えてみると、細殿に向かって左が陽で、右が陰と考えられている。
左側に三本の松の葉、右側に二本の松の葉が立つ。
奇数と偶数が合わさることで神の出現を願う意味が陰陽思想の中においてあるからなのだとか。

ちなみに「三鈷の松は、下記でも見ることができるそうです!」
1.和歌山  高野山金剛峰寺
2.滋賀県  大津市 石山寺
3.京都市  白峯神宮
4.京都市  禅林寺(永観堂)
5.京都市  同志社高校
6.京都市  東山山頂将軍塚北展望台
7.奈良県  法起寺(生駒郡斑鳩町) 
8.大阪府  藤井寺
9.香川県  栄光寺
10.香川県  大興寺
11.香川県  出釈迦寺
12.岡山県  観音寺(勝山町) 
13.福岡県  神変寺(篠栗霊場)
14.長崎県  大宝寺(五島市玉ノ浦町)
15.長崎県  雲仙(一切経の滝参道)
16.長野県  豊秋津州神社(木島平村)
17.埼玉県  東福寺(草加市)
18.東京都  観音寺(世田谷)
19.神奈川  久光院墓地(横浜市)
20.福島県  蓮華寺(会津若松市)