三世仏

  • 奈良では、興福寺「五重塔」の初層内陣の東側に前世(過去)の薬師如来像、西側に彼岸(未来)の阿弥陀如来像、南側に現世の表(昼)の釈迦如来像、北側に現世の裏(夜)の宝生如来像が、それぞれ四方仏として安置されています。
  • 京都府木津川市加茂の「浄瑠璃寺」では、境内の東(太陽の昇る所は、過去の浄瑠璃浄土)側に建つ「三重塔」に過去仏の「薬師如来」が、池を挟んで西(夕日が沈む所は、未来の極楽浄土)側に建つ本堂に「九体阿弥陀仏」が安置されてます。
  • 弥勒菩薩は、須弥山の上空24万由旬(628万km)にある歓楽に満ちた兜卒天(とそつてん、七宝で飾られた四九重の宝宮)の内院で修行中で、56億7千万年後に修行が終わって、如来になってこの世に現れ、衆生を救われますが、そんなに長く待ち切れないので、唐招提寺の「講堂」では、既に修行を終えた未来の姿「弥勒如来」として、安置されてます。
  • 三世三千仏
    過去仏に対して未来仏として弥勒仏が考えだされ、この考えがさらに展開して三世三千仏が考えられた。
    これは、過去(荘厳劫)、現在(賢劫)、未来(星宿劫)の三世に出生する千仏を合せて三千仏といい、過去は薬師如来、現在は釈迦如来、未来は阿弥陀如来を中心に千仏が描かれる。
  • 四方四仏
    多くの如来が考えられると、それぞれの如来の居所(浄土)が定められるようになった。特に有名なのは、東方に薬師如来、西方に阿弥陀如来、北方に釈迦如来、南方に弥勒如来の四仏である。塔の四面に安置されたり堂の四方の壁に描かれる。
  • 泉涌寺<三尊仏>本尊、仏殿に安置されている
    釈迦如来(過去)・阿弥陀如来(現在)・弥勒如来(来世)の3体の如来像